カテゴリ:図書室より
読書の秋

カテゴリ:図書室より 読書の秋


読書の秋です 本の紹介

◆急に寒くなりました。陽が沈むのも早くなり、夜が長くなってきました。
「秋」を楽しむ方法はいろいろあると思いますが、学校司書としてはやはり「読書の秋」を楽しんでほしいと思います。

◆『カフネ』(阿部暁子/講談社)

今年の本屋大賞受賞作です。ぜひ、読んでほしいおすすめの本です。この本が大賞を受賞したとき、「『カフネ』ってどんな意味?」と話題になりました。主人公が手伝う家事代行サービスの会社の名前が「カフネ」です。私はこのことばの意味を知っていました。なぜかというと湯中図書室にある、ある本を読んで、印象に残っていたからです。

◆『翻訳できない世界のことば』
(エラ・フランシス・サンダース/前田まゆみ訳/創元社)

これが「カフネ」ということばの意味を知った本です。ひとことでは訳せない、世界のことばを集めた単語帳のような本です。ちなみにこの本によると「カフネ」とはブラジル・ポルトガル語で「愛する人の髪にそっと指をとおすしぐさ」を意味します(『カフネ』の中にも、書いてあります)。

そしてこの本には、日本語の「こもれび」「ぼけっと」「わびさび」「つんどく」ということばが紹介されています。どんな意味か、説明できますか? なかなか難しいですよね。

◆『おにぎりの本』(一般社団法人おにぎり協会/辰巳出版)
◆『OH! ざわつくおにぎり』(おにぎり劇場/小学館)
◆『毎日おにぎり365日』(日々おにぎり ゆこ/自由国民社)
◆『日本のおむすび』(菅本香菜/ダイヤモンド社)

この4冊の本は、おにぎりの本です。作り方はもちろん、47都道府県のご当地おにぎりや郷土おにぎりの紹介、そして写真集的に見て楽しめる……など、おにぎりの奥深さを感じられる本たちです。思いがけない具の組み合わせもあり、驚かされます。4冊とも湯中図書室にあります。

なぜ、おにぎりの本を紹介するかというと……。 最初に紹介した『カフネ』に話が戻ります。『カフネ』の中に「おにぎりを作れるようになると、人生の戦闘力が上がるよ」というせりふがあります。「人生の戦闘力」ってパワフルなことばだと思いませんか? 忙しさや疲れの中で、自分に手をかけることを後回しにしがちですが、『カフネ』を読むと、ちゃんと食べること、自分の身の回りを整えることが、生きる力につながっているのだと感じます。ぜひ、おにぎり、作ってみてください。そして人生の戦闘力を上げましょう。

◆『カフネ』から始まり、『翻訳できない世界のことば』につながり、4冊のおにぎりの本に広がる……という、本の紹介でした。気になる本がありましたら、図書室までどうぞ。お待ちしています(残念ながら、『カフネ』は湯中図書室にはありません)。

学校司書 鈴木明子

公開日:2025年09月05日 06:00:00
更新日:2025年11月04日 09:07:12